1. はじめに:膝下の痛みとは?|群馬県高崎市で交通事故のケガ、腰痛、捻挫治療なら「かねしま整骨院」へ
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お知らせ
2025.05.26
日常生活の中で、「膝の下が痛い」と感じることはありませんか?立ち上がるときや階段の昇り降り、走ったりジャンプしたときなど、膝を使う動作で痛みを覚える方は少なくありません。とくに膝のお皿の下に痛みを感じる場合、それは単なる疲労ではなく、身体からのサインかもしれません。
膝下の痛みは、スポーツをしている若者に多いイメージがありますが、実際には成長期の子どもから大人まで、さまざまな年代に見られる症状です。原因も一つではなく、「膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)」や「オスグッド病」といったスポーツ障害をはじめ、腱や滑液包などの炎症、筋肉の使いすぎなどが関与している場合もあります。
本記事では、膝の下が痛くなる代表的な疾患である「膝蓋靭帯炎」と「オスグッド病」を中心に、その原因、症状、治療法、セルフケア、予防法までを徹底的に解説します。また、見逃されがちな他の可能性についても触れ、適切な対応ができるようサポートいたします。
膝の痛みに悩む方や、ご家族がそういった症状を抱えている方は、ぜひ最後までご一読ください。早期の対応と正しい知識が、快適な日常生活とスポーツパフォーマンスの維持につながります。
膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)は、膝のお皿(膝蓋骨)とすねの骨(脛骨)をつなぐ「膝蓋靭帯」が炎症を起こす疾患です。スポーツや運動時にジャンプや着地、ダッシュやストップ動作を繰り返すことで、この靭帯に過剰な負荷がかかり、徐々に炎症が生じます。
この疾患は、英語で「Jumper’s knee(ジャンパーズ・ニー)」と呼ばれることから、日本でも「ジャンパー膝」という通称で広く知られています。バスケットボール、バレーボール、サッカー、陸上競技など、ジャンプやランニングを多用するスポーツ選手に多く見られるのが特徴です。
膝蓋靭帯炎の発症には、以下のような要因が関与しています:
ジャンプ動作の反復:ジャンプと着地を繰り返す競技では、膝蓋靭帯に大きな張力がかかります。
過度な運動量:練習量が急激に増加した場合、筋肉や腱の回復が追いつかず炎症を起こすことがあります。
筋力のアンバランス:大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の過緊張や柔軟性の低下により、膝蓋靭帯に余計な負担がかかる場合があります。
フォームの問題:着地や走り方のフォームが不適切であると、膝に偏った負荷がかかりやすくなります。
硬いグラウンドや靴の問題:クッション性の乏しい環境での運動も、靭帯へのストレスを増加させる原因になります。
膝蓋靭帯炎の主な症状は、膝のお皿のすぐ下にある膝蓋靭帯部の痛みです。痛みの程度や出現のタイミングには個人差がありますが、以下のような特徴が見られます:
膝のお皿の下を押すと痛みがある
運動の初期や終了後に痛む(進行すると運動中にも痛む)
階段の昇降やしゃがむ動作で痛みが増す
動かさないと痛みは軽減するが、再度運動を始めると再発する
症状が軽いうちは運動後の違和感程度ですが、放置すると慢性化し、パフォーマンスの低下や競技離脱につながるリスクもあるため、早めの対処が重要です。
膝蓋靭帯炎は、10代後半から20代の若年層のスポーツ選手に多く見られます。特に、以下のような競技に取り組んでいる人は注意が必要です:
バスケットボール
バレーボール
サッカー
陸上競技(特に跳躍系)
テニスやバドミントン
男子に多く発症する傾向があり、成長期が終わる直前から成人初期にかけてピークとなる場合があります。
膝蓋靭帯炎の診断は、主に問診と触診、理学所見に基づいて行われます。以下のような検査が用いられることもあります:
圧痛の確認:膝蓋骨下端〜膝蓋靭帯の圧痛を確認。
徒手検査:ジャンプ後の痛みの有無、屈伸時の痛みの再現。
エコー検査(超音波):靭帯の肥厚や炎症を視覚的に確認。
MRI:重症例や他疾患との鑑別のために実施されることもあります。
医師や理学療法士による詳細な評価が、適切な治療方針の決定に繋がります。
膝蓋靭帯炎の治療では、**保存療法(手術を行わない治療)**が基本です。主な対応策は以下の通りです:
運動の制限・中止:痛みがある間は競技を休止し、炎症を鎮めます。
アイシング(冷却):運動後に膝蓋靭帯部を15~20分冷却。
ストレッチ:大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性を高める。
理学療法(リハビリ):筋力のバランス改善、フォームの見直しを含む。
超音波治療・電気治療:痛みや炎症の緩和を目的とした物理療法。
サポーターやテーピング:膝への負担を軽減。
症状が重い場合や慢性化している場合には、PRP(多血小板血漿)療法や、稀に手術が検討されることもあります。
膝蓋靭帯炎を悪化させないためには、日常生活でも次のような工夫が有効です:
正座やしゃがみ込みを避ける
長時間の立ちっぱなしを控える
階段をゆっくり昇降する
靴のクッション性を見直す
ストレッチを習慣化する
また、再発を防ぐためには、痛みが完全になくなるまで競技復帰を我慢し、医療専門職と相談しながらリハビリを継続することが大切です。
オスグッド病(正式名称:オスグッド・シュラッター病)は、成長期の子どもに多く見られる膝下のスポーツ障害のひとつです。膝蓋靭帯が付着する**脛骨粗面(けいこつそめん)**という部位に繰り返しの牽引力が加わることで、炎症や骨の突出が起こり、痛みを伴うのが特徴です。
この部位は、まだ成長途中の骨(骨端線)で構成されており、外部からのストレスに対して非常に敏感です。そのため、ジャンプやダッシュを頻繁に行うスポーツ活動をしている子どもに発症しやすいのです。
オスグッド病は、主に10〜15歳前後の男子に多く見られます。これは以下のような成長期特有の理由が関係しています:
骨の成長が急激に進む時期であること
筋肉や腱の柔軟性が骨の成長に追いつかない
成長軟骨(骨端線)が完全に硬化していないため、牽引に弱い
このため、骨の付着部に炎症が起きたり、骨片が剥がれたりすることがあります。成人になるにつれて骨端線は閉鎖され、オスグッド病の発症は見られなくなります。
オスグッド病の主な症状は、膝のすぐ下(脛骨粗面)の痛みと腫れ、そして骨の突出です。典型的な症状は次の通りです:
膝下に触れると鋭い痛みがある
ジャンプや走行、階段昇降で痛みが増す
しゃがんだり正座すると強く痛む
膝下の骨が出っ張ってきて、触れると硬い
両膝に発症することもあるが、片側が多い
進行すると、骨の突出が目立ち、安静時でも痛むようになります。スポーツ活動を続けながら無理をすると、症状が長期化し、運動制限を余儀なくされることもあります。
オスグッド病は、以下のような運動量の多い競技や部活動に取り組む子どもに多く見られます:
サッカー
バスケットボール
陸上競技(特に短距離・跳躍)
野球
バレーボール
特に、中学生の部活動が始まるタイミングで急激に練習量が増加するケースが多く、十分な休息を取らずにトレーニングを重ねることで発症リスクが高まります。
また、柔軟性の不足や、ウォーミングアップ・クールダウンの不十分さも要因のひとつとされています。
オスグッド病は、基本的に問診と視診・触診による診断が可能です。以下のような方法で診断されます:
膝下(脛骨粗面)の圧痛、腫脹、骨の突出
スポーツ歴や運動時の痛みの有無を確認
レントゲン検査:骨端核の変化や剥離の有無を確認
稀にMRIや超音波検査:骨片の状態や炎症の有無を詳細に把握
骨折や腫瘍など、他の疾患との鑑別が必要な場合には、画像診断が有効です。
オスグッド病の基本的な対応は「保存療法」です。家庭でも次のような対処が効果的です:
痛みがある間は無理をせず、運動を控えましょう。成長期の障害であるため、一時的な運動制限で自然に改善することが多いです。
運動後や痛みが強いときは、膝下を15〜20分程度冷やすことで炎症や痛みを抑える効果があります。
太ももの前側(大腿四頭筋)の柔軟性が重要です。以下のストレッチを無理のない範囲で行いましょう:
大腿四頭筋ストレッチ(立って膝を曲げて足首を持つ)
ハムストリングスのストレッチ
ふくらはぎのストレッチ
オスグッド専用のバンドを使用することで、膝蓋靭帯への牽引力を軽減し、痛みの緩和が期待できます。
着地時の衝撃を和らげ、負担を軽減できます。
痛みの程度や期間には個人差がありますが、一般的には1〜3か月程度の安静期間を設けることで多くのケースが改善に向かいます。復帰の目安は以下の通りです:
膝下を押しても痛くない
ジャンプやダッシュをしても痛みが出ない
可動域・筋力に左右差がない
ただし、骨の突出は治っても残ることがありますが、痛みがなければスポーツを続けるうえで大きな問題にはなりません。
医師や理学療法士と相談しながら、段階的な復帰を心がけましょう。
膝の下が痛む原因は、「ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)」や「オスグッド病」が代表的ですが、それ以外にも以下のような疾患や状態が関連している場合があります。
膝蓋下脂肪体炎は、膝蓋骨の下に存在する柔らかい脂肪の塊(膝蓋下脂肪体)に炎症が起こることで痛みが生じる疾患です。この脂肪体は膝の動きを滑らかにするクッションのような役割を持っていますが、過度な負担や外傷によって腫れたり、炎症を起こすと、膝の下に痛みが現れます。
膝の皿のすぐ下がズキズキと痛む
長時間立った後や階段昇降時に痛みが強くなる
膝を曲げたときに引っかかるような感覚や違和感がある
押すとやわらかく腫れている感じがある
アイシング、ストレッチ、運動制限などの保存療法が中心です。慢性化を防ぐために、早めの休息が推奨されます。
鵞足(がそく)とは、膝の内側下部にある腱の集合部位で、縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つの筋腱が付着する場所です。ランニングや膝の屈伸動作を繰り返すことで、この部位に摩擦や炎症が起こると、膝の内側から下側にかけて痛みが出現します。
膝の内側〜下にかけての鋭い痛み
特に走り出しやストップ動作で痛む
階段の下りや坂道の下りで痛みが強くなる
朝は軽くても、運動後に悪化することが多い
ストレッチや筋力バランスの改善、足のアライメント(骨の配列)の見直しが重要です。必要に応じてインソールやテーピングも有効です。
膝関節に痛みを引き起こす病気の中には、関節リウマチや痛風など、全身性の疾患による関節炎が原因となるものもあります。特に中高年層では、これらの疾患が膝下に違和感や腫れ、痛みをもたらすケースも見られます。
両膝や他の関節も同時に痛む
朝のこわばりが長く続く(関節リウマチ)
食事やアルコール摂取後に急激な痛み(痛風)
赤く腫れて熱感がある
整形外科や内科での精密検査・血液検査が必要です。関節痛が単なる使いすぎではないと感じた場合は、早めに専門医を受診しましょう。
ジャンプや急なダッシュ時に膝の下に強い牽引力がかかることで、脛骨結節(膝下の骨の突起部分)が剥がれるように骨折してしまうことがあります。これはオスグッド病が進行・悪化した結果として生じる場合もあります。
激しい膝下の痛みと腫れ
歩行困難、荷重時に痛くて足を着けない
骨がズレるような感覚やポコッとした変形
受傷時に「ブチッ」という音がすることも
緊急性が高く、**整形外科での診断・固定(ギプスや手術)**が必要です。オスグッド病を放置して激しい運動を続けた場合に起こりやすいため、早期の予防が重要です。
膝蓋骨(膝のお皿)が一つに癒合しきれず、複数の骨片に分かれたまま残っている状態です。通常は無症状ですが、運動時にこの分裂部が不安定になると、炎症や痛みの原因となることがあります。
膝蓋骨の下側または周囲の痛み
運動後に痛みが悪化
骨片に圧痛がある
レントゲンで分裂が確認される
保存療法が基本ですが、痛みが強い・長引く場合には手術を検討することもあります。
膝の下の痛みは、ジャンパー膝やオスグッド病のような運動由来のものから、骨折や全身性疾患まで、さまざまな原因が考えられます。痛みが続く場合、自己判断せず、早めに整形外科を受診することが重要です。
また、成長期の子どもや、部活動に励む学生、日常的にスポーツを行う人は、痛みを我慢して運動を続けないことが、将来的な関節障害を防ぐうえでも非常に大切です。